小説の中の高杉晋作の最後
1)高杉晋作は死んだ。(略)衰弱の身に、喀痰が咽喉をふさいで、悶死するとき、その板のようなうすい胸を横切った思いは何であったろうか。

早乙女貢「奇兵隊の叛乱」


2)このきわめて凝縮された老年を送った人物の生涯は、さきに二十八年と書いたが、それを正確に計数すれば二十七年と八ヶ月でしかなかった。

司馬遼太郎「世に棲む日日」


3)それは花火のように短くもまた激しい命の燃え尽きる時でございました。

古川薫「高杉晋作・戦闘者の愛と死」


4)高杉の任務は終ったといってもいいので、その死はむしろ時機を得た感じである。死は奇妙に、丁度いい時にやって来るものである。

大岡昇平「高杉晋作」


5)五十年の人生を、われとわが身で二十八年に縮めて生きた男一匹だったのだ。

山岡荘八「高杉晋作」



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