雅子宛書簡
雅子宛書簡

雅子宛書簡

雅子宛書簡

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雅子宛書簡

雅子宛書簡

元治元年、来島又兵衛など遊撃軍の京都進発論を押さえる為、藩命を無視して上京。
京都にいた桂・久坂と協議。この頃、雅子に宛てた書簡。


一筆申し進め候、先中 御父母さま御揃い御無事にいらせられめでたく存じまいらせ候。
そもじどのにもご無事にござあるべく候。めでたく存じまいらせ候。
我れらもこの節は京都へまかり越し候間、決して御気遣い下されまじく候。
出足の節は急場の事故手紙も残さず候段、我ながらあやまり申し候。
御免し下さるべく候。
いずれも遠からぬ内にまかり帰り候につき、その節委曲申し開かすべく候。
○吉富へ預け候切手事を井上おととさまへ御頼み下されたく候。
また内々のこしおき候切手は御守り袋の中にござ候間、御請け取り下され、
それを井上おととさまへ。御頼み下さるべく候。
井上へも、萩の高杉へもこの度無音仕り候間、その段仰せ越され候よう頼みまいらせ候。
山口方にてよろしく候わば当介は源之丞は不用故、御帰りなさるべく候。
馬は井上へ御傾けなさるべく候。
萩高杉御両人様を大せつに致され候が我れらを大せつに致され候も同様に候間
さよう御心がけ専要に存じまいらせ候。
我れら事も色々御気遣いもこれあるべく候えども、
武士という者はこのくらいの事は常にござ候間、
腹を強う思い留守をたしかに致され候よう、万々頼みまいらせ候。
京大阪へ便りござ候わば、文も御送り下さるべく候。
この方より追々書状着し送るべく候。
近日の中大阪へ帰り候故、さ候わば曽我物語、いろは文庫など送り候間、
それを御読みなされ心をみがく事専一にござ候。
武士の妻は町人や百姓の妻とは違うというところ忘れぬ事、専要にござ候。
色々申し遣わしたくござ候えども、先ずはあらあらかくの如く申し縮め候。
                      めて度くかしこ
    二月十八日
なおなお萩御両親さま御大切に御仕えの事専要にござ候、
そもじにも短気をおこさずまめに留守番致さるべく候、
今月か来月の中にはまかり帰り候につき、さよう御心得下さるべく候
そのため かしこ
  於政との無事

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